
銘柄選びするときに発行株式数をとても重視しています。
なぜかというと、株価は一株あたりの利益が元となり、さらにその一株あたり利益の分母は発行株式数となるからです。
株価は1株あたり利益がベース
純利益を発行株式数で割って出てきた数字が「一株あたりの利益」です。
それにみんなが期待する倍率をかけて出てくるのが株価。
例えば、利益が10億+発行株式数が1,000万株の場合、1株あたり利益は100円です。
(10億÷1000万=100円)
それをベースに株式市場が企業する期待度が20倍だったとき、株価は2,000円となります。
(100円✕20=2,000円)
純利益に対して発行株式数が少ないほど1株あたりの価値が高まります。
逆にジャブジャブと株数が発行されてしまうと、1株あたりの利益は少なくなってしまい価値は下がります。
価値の度合いに影響をおよぼす発行株式数は非常に重要です。
株式分割を期待できる
株を保有するだけで資産を大きく増やしていくためには、株価の上昇だけでなく株数が増えていくことも大事です。
持っているだけで勝手に株数が増えていくのは何かというと、株式分割です。
株自身が増殖していくことで資産の増加スピードはアップします。
なかには配当金を据え置いて株式分割することもあり、これは実質の増配となります。
また、株数が増えることで優待をもらうステージもアップしやすくなります。
株を持つ以上は株式分割を期待したいもの。
そんな株式分割しやすい発行株式数は3,000万未満が多いです。
理想をいえば1,000万株未満。
この状態で業績好調+株価が上がっていると、株式分割される可能性が高まります。
発行株式数が1億台に乗ってしまうと株式分割はあまり行われません。
大型株については自社株買い
大型株となるとすでに発行株式数が億にのっているのが多くなります。
さらにアメリカ株ともなると優良銘柄はどれも億単位です。
株数が多いですが、これは多すぎだから避けようというわけではありません。
一株あたりの価値を高められるかどうかという点に着目するので、これはこれで注目すべきことがあります。それは自社株買いです。
自社株買いされれば市場に流通している株数が減り、それによって一株あたりの利益が高まります。
自社株買いをしてきているかは発行株式数がどのように推移しているかをみることで知ることができます。
大型株で自社株買いしている銘柄は、発行株式数が年々減っていきます。
自社株買いによって株価の価値が上がれば株価も上がりやすくなります。
成長株も安定大型優良株も発行株式数をみよう
若い成長株も安定大型優良株も、どちらも発行株式数は確認する価値があります。
- 成長株については株式分割しながら伸びていける銘柄かどうか(今の株数を確認する)
- 世界的な大型優良銘柄は自社株買いしているかどうか(推移を確認する)
定点観測するか推移観測するかの違いはありますが、いずれも分母となる発行株式数はチェックする価値が大きいです。
株主に対する姿勢も見えてくる
発行株数に対する施策で、その企業が株主還元に気持ちがあるかどうか見えてきます。
株数が増えるにも施策はいろいろあります。
株式分割は喜ばしいですが、増資を乱発しジャブジャブと株数を多くする銘柄は避けたいところ。
既存株主からするとただただ一株あたりの価値が下がるだけだからです。
株価のベースとなる一株あたりの価値を高めようとしているか、株主は横に置いておいて企業側の資金調達だけを目的に株を増やすかは大きく違います。
株を買う以上は、株の価値を最大化する動きをとってくれる企業の株を持つべき。
そのためにも発行株式数は注目すべきポイントになりますね。